『ブラッドライン』著者・黒澤伊織氏インタビュー&プレゼントキャンペーン

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小説『ブラッドライン』(文芸社)の著者で、ペンネーム:山野ねことして小説投稿サイト「カクヨム」でも人気を集めている黒澤伊織氏に取材を行いました。読書ログをご覧の皆さんへの書籍プレゼントもありますので、皆さんからのご応募お待ちしております!

それでは作者がこの作品に込めた想いをお届けします。

テーマは「戦争と平和」

戦争とか世界平和とかの大それた問題も、根本は個人に帰結すると思うのです。ですので、今回、大きな「戦争と平和」というテーマを描こうとしたときに、やはり市井に生きる「個人」の視点から描きたかった。それが、群像劇という手法をとろうと思った理由です。

ものすごく悪い人が「戦争」を起こすわけではないし、ものすごく善い人が「平和」をもたらすわけでもない。ほとんどの事態は、我々、普通に生きる庶民が、無意識のうちであれ、決定しているのだと思います。ですから、この小説の主人公は、Mではなく、読んでいる読者自身だと思って書きました。

静寂に耳を傾けるとき、あなたならどうするか。そこに何の意味も見出さない人もいれば、何かを聞いた人もいるかもしれない。そのへんを、読者にゆだねたストーリーなので、人によっては「答えがない」という、消化不良の思いを抱くかもしれません。また、そこに正解があるわけではなく、答えは、読者さん一人一人によって違うと思います。重要なのは、答えを得ることではなく、その問題について考えることだと思います。この小説が、大きな問題について、少しでも心を馳せるきっかけになれば嬉しいです。

また、残念なことに、いつの時代も戦争はどこかで起きており、いつの時代の日本人も少なからず危機を感じていると思います。冷戦、中東戦争、9・11、アフガン、イラク……。ですから、本当に残念なことですが、戦争や平和についての小説を書けば、それはいつでもタイムリーなものになってしまうのだと思います。

-執筆の動機

きっかけは、テレビのドキュメンタリー番組です。内容は全然覚えていないのですが(少なくとも、この小説の内容とは全く関係のないものです)、そこで「静寂を作る男」というフレーズがあって、これは面白いなと思ったのが、きっかけです。「誰かが命をかけて静寂を作る」というのが、そもそものアイディアですので、戦争とか平和とかは、最初は考えていませんでした。

「このラストを作ったのはすごい」という感想をたくさんいただいたのですが、恥ずかしながら、ラストシーンが最初にありました。

-人が抱く一瞬の感情

登場人物がどう変わったのか。そこに、答えや、正しい解釈というのは無いのです。小説内に書かれたものがすべてであり、後のことは分かりません。ひょっとしたら、翌日にウマルはケネスを殺すかもしれないし、リーリヤも一時の感情を忘れて父と同じ道を行くかもしれない。一彦は、工場を首になってホームレスになるかもしれない。一瞬の感情が人生を変えることは、滅多にないと思います。

Mが世界に与えたものというのは、文字通り、ただ一瞬の静寂であって、それ以上でもそれ以下のものでもない、それだけのことです。それをどう世界が受け取るかは、また別の話であり、読者の皆さん、それぞれで違うところがあると思います。

ただ、一瞬の静寂が、そこで抱いた感情が、世界を変えることがあるかもしれない。そういう希望は、作者としては抱いています。 

-あなたが「変える人」になって

Mが主張しているのは、大きな問題も、個人の心から生まれている、ということです。スケールの小さなことで言えば、虐待されて育った人が、自分の子供にも虐待してしまうような。それが大きなスケールとなれば、民族としての記憶として、憎しみや恨みというのが引き継がれていっていると思います。

だからといって、皆が皆、その憎しみを引き継ぐわけではありません。虐待されて育っても、自分の子に対しては、頑張って、努力して、愛をそそぐ人もいます。「変える」というのは大変なことです。ましてや、それが親や先祖といった、長年積み重なってきたものであるならば。ですからほとんどの場合、親と同じように、周りと同じように、生きるのが一番楽だと思います。

でも、あなたの心がそれを良しとしないなら、あなたは変えることができる。あなたが断ち切ることができる。誰かが変えるのを待つのではなく、あなたが変える人になってほしい、という思いがあります。甘い考えかもしれませんが、個人の感情が、憎しみの連鎖を断つことはできる、大きな紛争をも止めることができる、そう考えています。私は政治家ではなく小説家なので、そういう考えを持っています。

-ペンネームは「山野ねこ」!

ペンネームに特にこだわりがありませんので、今までは「山野ねこ」という適当なペンネームを使っていたのですが、今回のブラッドラインを出版するにあたり、あまりに内容とペンネームがそぐわないので、「黒澤伊織」という新ペンネームを作りました。目標は大きく、世界に羽ばたく作家になりたいので、世界で一番有名であろう日本人名字「黒澤」をつけました。黒澤明監督リスペクトです。

-コミカライズされた作品「夜鬼」

「夜鬼」は、かなりエンタメを意識して書いた小説です(ブラッドライン以前に書いた作品です)。ミステリーホラーのエンタメ小説ですので、それが評価されて、コミカライズされたというのは、嬉しい限りです。

私は、自分の小説のコミカライズや映像化といった、二次利用については、やりたい人がいれば、是非ご自由にどうぞ、と思っています。コミックやアニメや映画は、私の作品ではありませんので、それぞれのスペシャリストの方が、自由にやってくださるのが、一番だと思っています。

ブラッドラインに関しても、コミカライズ等のお話があれば、いくらでもやっていただきたいと思います。コミックやアニメを見た人の、何人かに一人でも小説を読んでくだされば、それが小説家としては最上の喜びです。言葉通り、一人でも多くの方に読んでいただくのが目的ですので、その目的にかなうものであれば、何であれ大歓迎です。

-次回作「何が彼女を殺したか」のテーマは「死刑」

小説を書き始めて5年ほどになりますが、最初はただただ書くのが楽しくて、いろいろなジャンルの小説を書いてきました。インターネットの小説投稿サイト「カクヨム」には、その頃書いた、あらゆるものをアップしてあります。ホラーから、ラブコメ、ショートショート、ファンタジーなどなど。

そして、いろいろなジャンルを書いてみて分かったのは、自分には、真面目な、重いテーマのものが向いているし、それを書きたい、ということです。カクヨムでは冗談半分に、ライトノベルに対する「ヘビーノベル」と自称しています。

おそらく、そういう小説は、今の出版界ではかなりマイナーなジャンルです。ラノベや、軽いミステリーのような、エンタメ小説が現在の小説界の柱となっています。この「ブラッドライン」のような、読者にも思考を強いるような重い小説は、現在は主流ではないのですが、そういう作品を書いていき、世間に受け入れられるように、頑張っていきたいと思っています。

次回作は既に書き上げていまして、今年末に出版予定です。タイトルは「何が彼女を殺したか」で、テーマは「死刑」です。幼い娘を殺された被害者遺族と、その犯人の、25年にわたる物語です。また、現在執筆している小説は「イルカ漁問題」をテーマにしています。

私は、軽く楽しめる小説よりも、思考のきっかけになるような、心にずしんと響くような小説のほうが「面白い」と思っているので、そういう小説を今後も作っていきたいです。


書籍プレゼントキャンペーン

<応募締切>

2018年7月31日(火)

応募方法 下記フォームに必要事項を記載の上、申込み[ボタン]を送信してください。

ご応募の際にいただいたメールアドレス等の情報は、当キャンペーンの抽選、賞品の発送以外の目的には使用いたしません。また、個人情報の保管期限は当選分については必要な保管期限までとし、非当選分は抽選後すみやかに破棄させていただきます。その他、個人情報の取扱いについては当サイトの「プライバシー・ポリシー」をご確認ください。

ご応募いただいた方の中から抽選で18名様に書籍「ブラッドライン」をプレゼントします。

当選発表は、ご当選者様にのみメールにてお知らせいたします。賞品発送の詳細に関しましては、発表の際にご案内いたしますが、賞品の発送は日本国内に限定させて頂きます。

また、賞品の転売・譲渡はご遠慮ください。

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